第9回 日本小児禁煙研究会学術集会を2019年3月3日、北海道・札幌市で初めて開催することとなりました。皆さまに歓迎のご挨拶をさせていただきます。
3月の北海道・札幌市中心部は、残雪があるものの日中の日差しで雪解けが進み、地面が見えるようになります。すると冬季間は雪に隠れて見えなかったタバコの吸い殻やお菓子の包装紙、コンビニスナックの串などが現れ、この地で暮らす人々の生活が浮かび上がってきます。
今回の学術集会テーマは「子どもの暮らしにタバコはいらない 〜そのために私たちができること〜」といたしました。2018年3月に報告された厚生労働省からの資料によると、北海道は女性の健康寿命(2016年)が全国45位で、前回(2013年)の26位より転落しています。この一因として、全国1位で推移している女性の高い喫煙率が指摘されています。女性(=母親)の喫煙は、本人のみならず家族・子どもたちの健康や生活スタイルに影響を与えることとなります。今日、個人の、家族の生活スタイルは多様化していますが、子どもの健やかな成長発達のためにタバコに曝されないことは、いつの時代であっても、どんな地域に生活していても保障されなくてはならないものと考えます。医療者のみならず教育者、研究者、行政関係者、そして子どもや家族等が協力し合い、スモークフリーな社会の実現に近づくことができたら、と思います。
本学術集会が、それに資するアカデミックな語り合いの機会となるよう特別講演、教育講演、そして一般演題等、準備いたします。会場となる札幌医科大学記念ホールは、地下鉄や路面電車の下車駅から徒歩5分程度のアクセスのよい場所にあります。温かい格好で、皆さま揃ってのお越しを心からお待ち申しあげます。
平成30年4月 |
会 長 今野 美紀
札幌医科大学保健医療学部 看護学科教授 |
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